第1回 勉強を楽しくする環境を作ろう (16年11月) ■■学力を向上させるにはトップへ

 親御さんの立場からは、もっと勉強をしていい学校へ入ってほしいと、いつも考えておられると思います。ところが、子どもは親の思いになかなか応えようとはしません。私ども、塾の立場からしても、もっと頑張ればいい成績になると思う子が、学習に力を入れないで別のほうに興味と関心が行ってしまっているということがよくあります。こういうときにどうしたらよいのか悩んでいる方も多いと思います。一つの解答としては、家での生活態度を含めた広い意味での環境を変えることが考えられます。ここでいう環境とは、親が子どもに接する態度も含みます。
 ただし、どう変えればいいのか、それが難しいところです。単に子どもの環境を変えたとしても、いくらか気分が変わる程度に過ぎず、やる気を起こすには至りません。「一貫性のある、実践に裏付けられた方法があれば、それを学びたい。自分もその方法から学んで、子どもの気に入るような、そして勉強も進むような環境を作っていきたい」と思っておられる親御さんは多いと思います。私も、子どもの成績を上げるのは、単に子どもだけのことでなく、子どもをその気にさせる環境が大切だと考えてきました。しかし、どうすればいいのか、確信を持って人に勧められる方法を模索中という段階でした。
 先日、塾の先生方の集まりがありましたので、私も出席をして「日本教育学院」の武田利幸先生のお話を聞いてきました。この先生の塾では、どうしたら生徒がやる気をだすか、勉強に集中させて、しかも楽しいと思うようにさせるにはどうしたらよいか、ということを長年考えて、実践しているのです。ここでの話は、私が聞いて私の中にしまっておくだけではもったいないと思いました。世のお母さん方にも、その考え方を知ってもらって子どもを生き生きとした前向きの意欲ある子にしてもらいたいと思い、聞いた話を軸にまとめてみました。まとめるにあたっては向学館の石川寛先生の本を元にしています。むろん、私の考えも入っていますので、武田先生の伝えたかったことを私が十分にくみ取ってお伝えできているかどうかという問題は大目に見てお許しを願います。子どものやる気を引き出し、頑張れる子に育てるためには何を変えるべきなのか、という問題です。毎月更新してまいりますので、是非お読みいただいて、ご意見を賜れれば幸いです。